改訂 解説・河川管理施設等構造令

写真「解説・河川管理施設等構造令」

 河川管理施設等構造令は、平成4年1月と平成9年11月に河川法が改正されたことに伴い、それぞれ一部改正が行われました。
 また、構造令改正に伴う施行規則や関連する通達の改正がありました。

  今回の「解説・河川管理施設等構造令」の改定は、河川法や構造令等の改正、技術基準類の見直し、現在まで得られた技術的知見および現場での運用等を勘案し、現時点における河川管理施設等構造令解説の具体的記述を行ったものです。

目 次

3,700円(税別)

推薦のことば

国土交通省河川局長 竹村公太郎

 近年、豊かでゆとりのある質の高い生活や良好な環境を求める国民のニーズの増大に伴い、河川は、治水・利水 及び環境上、その本来の機能が維持され、適正な利用が図られるよう、総合的な河川管理を推進することが必要で ある。

 「河川管理施設等構造令」は、ダム、堤防その他の主要なものの構造について河川管理上必要とされる技術的基準であって、昭和51年7月に制定された。
 これに伴い、昭和53年3月に発行された「解説・河川管理施設等構造令」は、政令の趣旨を踏まえた解説を試み、 河川管理施設または許可工作物の構造や設置位置等に係る基準書等として、発行後、長きにわたり利用されてきた ところである。

 その後、社会の変化や技術の進展等に対応して、数次にわたり、河川管理施設等構造令及び同令施行規則の一部改正が行われてきた。一方、平成9年12月には、「河川環境の整備と保全」を河川管理の目的として明示した河 川法の一部を改正する法律が施行されたところである。

 このため、今般、河川法や構造令等の改正、技術基準類の整備等に対応して、本解説の改定を行ったものであり、 本書がより多くの人に読まれ、構造令の適切な運用を通じて河川行政の進展に寄与することを切に望む次第である。

編集にあたって

財団法人 国土開発技術研究センター

 「解説・河川管理施設等構造令」は、昭和51年7月に制定された河川管理施設等構造令(以下「構造令」という) の解説書として、昭和53年3月に発行された。

 その内容は、1. 構造令の各条文の背景や考え方の解説、2. 構造令制定時の各省協議結果を反映した河川局長通達及び課長通達の解説、3. 昭和53年当時の工作物等の設置位置等に係る基準・運用、4. 昭和53年当時の工作物の構造に係る基準・運用等であり、発行以来、今日まで利用されてきた。

 その後、社会的・技術的状況の変化に対応して、構造令は、平成4年1月(高規格堤防構造の規定)及び平成9 年11月(河川法改正に関連する部分の改正、樹林帯や魚道の規定、橋の径間長の見直し及び大臣特認制度の拡充)にそれぞれ一部改正を行った。また、構造令改正に伴う同令施行規則や関連する通達の改正があった。

 この間、平成6年9月には「工作物設置許可基準」の制定、平成9年5月には「建設省河川砂防技術基準(案)」 の改定があり、さらに河川技術マニュアル類の整備が進められた。

今回の解説改定は、河川法や構造令等の改正、技術基準類の見直し、現在までに得られた技術的知見及び現場で の運用等を勘案し、現時点における構造令解説の具体的記述を行ったものである。

 その主な事項と編集に関しては、1. 河川法改正等に係る事項では、法改正等に関連する事項の追加、河川環境の整備と保全への配慮の記述、河川空間の活用への配慮の記述、2. 解説書発行以降の構造令及び同令施行規則の一部 改正に係る事項では、高規格堤防、樹林帯、魚道、起伏堰、橋の径間長及び大臣特認制度関係の記述、3. 既往の災害等からの知見による記述、4. 技術基準類を参照することの記述、5. 参考として「河川横過トンネル」構造基準の記述などである.

 本解説書の編集にあたって、ご指導、ご助言をいただいた「解説・河川管理施設等構造令」の編集関係者、関係各位及び関係機関の方々に感謝の意を表するとともに、本解説書が単に実務担当者のみならず、広く活用されることを期待するものである。