河川文化
河川文化を語る会講演集 <その30>

写真「河川文化を語る会(その30)」

平成10年6月から、川に関心のある方々が月に一度集まり、川にかかわる文化をテーマにゲストスピーカーから話を聞き、意見交換をしてまいりました。

今回、平成20年9月から平成21年3月までのうち4回分の講演内容を講師が加筆修正し、講演集としてまとめました。
また、第64回通常総会における特別講演の内容も併せて収録しました。
ぜひともご一読ください。


4/6判  334頁 
一般価格:1,200円(税込・送料なし)
会員価格: 700円(税込・送料なし)


収録内容

海と水産業の再生 ―森と川とのかかわり

 小松 正之 氏
(政策研究大学院大学 教授)

海と森と川とのかかわりについての研究のはじめ
乱獲に向かう世界の漁業
80%の魚が過剰に獲られる
急速に伸びる水産物貿易
日本の漁業の衰退と、森と川
沿岸と沖合漁業の衰退と陸域・海岸線
高度経済成長と埋め立てと漁業権
東京湾の漁業の縮小と埋め立ての進行
陸水とその流れ
陸域と海域の連続の重要性
河川と海との関係
人口減少社会と生態系の管理
乱獲と魚離れ
新しい資源管理制度の導入と資源の回復
衰退する日本の漁業
日本周辺水域における水産資源の悪化
乱獲の事例 ―キンキ、マサバなど
日本の旧態な漁業法制度の改正で再び元気な日本漁業へ
 

硫黄酸化物と樹木の立ち枯れの関係
   ―炭による立ち枯れ予防と二酸化炭素の削減―

 大森 禎子 氏 
(元 東邦大学理学部 教授・大学院理学研究科担当併任)

はじめに
世界の樹木の立ち枯れ
調査方法
硫黄酸化物と立ち枯れの関係
硫酸と風送塩の反応
環境汚染量の表示
酸性物質の濃縮
樹木に付着する水の量と硫酸の濃度
風による硫酸の移動と塗り重ね
雨水と雪の中の硫酸の濃度
雨による樹木からの溶出成分
pH3とpH4の硫酸溶液によるシラビソの溶出成分の量
樹木と土壌の硫酸濃度の関係
海岸と内陸の硫酸の作用の違い
樹木の姿勢と根元の土壌の硫酸イオンの濃度
硫酸による土壌の金属成分の溶出と樹木の立ち枯れの関係
高山の標高別土の水による溶出成分
樹木とリン酸の関係
年輪幅と成分の関係
年輪幅の減少と衰退年数の推測
酸性土壌の炭による中和と立ち枯れ防止
炭による二酸化炭素の削減
融雪剤による樹木の衰退
まとめ
 

漁師町 赤須賀の今・昔〜桑名の蛤の復活をめざして

秋田 清音 氏 
(赤須賀漁業協同組合 代表理事組合長)

はじめに
赤須賀の成り立ちと歴史
これまでのハマグリ復活への取り組み
これからの赤須賀は
おわりに
 

災害文化の創出を目指して

     田中 淳 氏 
(東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター長・教授)

はじめに
社会環境の変化と河川災害
避難行動の実態
災害文化の創出の法則
新たな夢
 
【特別講演】 −第64回通常総会において−
森・里・海の循環による国土創成

     安田 喜憲 氏 
(国際日本文化研究センター 教授)

地球に祈る
自然の力を体現する
修験道の心を破壊した明治維新
敗戦と戦後の経済成長による破壊
利他の心と慈悲の心を醸成した水で人と人がつながる社会
年縞による年単位の環境史復元
森と水の循環系を破壊する畑作牧畜民
稲作漁撈民は山を崇拝し森と水の循環系を守った
稲作漁撈民が成し遂げた勤勉革命
40年前の森と水の循環系・生物たちの世界を復活する
 



講演者略歴

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